まえがき

このお話は、公証役場や法務局、税務署などに足を運ばずに、オンライン申請と郵送だけで会社設立したことを記したものです。会社設立をオンライン申請で行いたい、オンライン申請でどんな風にできるのか知りたい方におすすめの記事です。

会社設立はオンライン申請で出来る?

2019年6月に個人事業主として起業してから約2年半。2021年11月12日に株式会社を設立しました。

会社設立について改めて調べてみると、実は所定のシステムと電子証明書などを用意すれば、公証役場にも、法務局にも行かずに法人登記が可能ということがわかりました。

法務省:商業・法人登記のオンライン申請について

そして、令和3年2月15日からは、印鑑届書も同時に電子申請ができるようになりました。

法務省:オンラインによる印鑑の提出又は廃止の届出について(商業・法人登記)

まるっとオンライン・非対面でできる!ということで、試しにやってみることにしました。

まずは定款の作成から

会社を設立するにあたって、一番最初にすべきなのは、『定款を作ること』です。会社の定款とは、会社の基本情報や規則などが記載された、いわば『会社のルールブック』。これがないことには何もはじまりません。

定款へ必ず記載しなくてはならない事項は以下の通りです。

【絶対記載事項】

・事業の目的

・商号

・本社所在地

・資本金額(出資財産額)

・発起人の氏名と住所

「事業の目的」は10くらいに絞るといいと一般的に言われています。わたしの会社は将来の展望(希望的観測)を含めて15項目になりましたが、数の制限はないそうなので、筋が通っていれば大丈夫かなと思います。定款に記載していない目的の事業は、基本的に行ってはいけないルールにとなっているため、よく考えてまとめることが大事かと思います。

「商号」とはいわゆる「会社名」のことです。これを決めるのは、とても悩みました。個人事業主のときに決めた屋号はなんとなくしっくりきておらず、法人設立を機に、新たなものをつけようと考えに考えました。既にある会社のネーミングは避けようとか、意味合いや画数なども鑑み、『株式会社スロージャーナル』という名前に決めました。

ロゴのデザインは鬼越のMIKAZUKI Designさんにお願いしました。

スローは、ゆっくりやゆったりとしたという意、ジャーナルとは日誌や日記、情報誌などの意味合いもありますが、IT用語でいうと「システム内部の日々のログ(記録)」と言われており、『ゆっくりと日々を過ごし、時間も心も余裕がある毎日をつくる会社』という想いを込めて名付けました。

「本社所在地」はすでに契約していた事業用物件の場所に、「資本金額」は自己資金をかき集めてあてがうことにしました。行政書士の友人にサポートもいただき、無事定款作成を終えました。

地味に準備していたあれこれ

定款を作る間、会社のロゴを依頼し制作を進めていましたが、この間地味に準備していたものがいくつかあります。

  • 会社のハンコ、ゴム印の作成
  • ドメインの取得
  • メールアドレスの作成
  • gmailアカウントの作成
  • ホームページの作成準備(サーバー・WordPressインストール) など

やらなきゃいけないことたくさんある〜!とバタバタする時期かと思います。そしてそれがしばらく続きます笑

公証役場で、電子定款を認証してもらおう!

次は、公証役場へ『定款認証』をしてもらいます。

オンラインで行う場合は、作成した定款を電子文書の形で定款作成者が電子署名をし、法務省が運営する『登記・供託オンライン申請システム』を使って送信し、認証を受けます。

まず登記・供託オンライン申請システムへ利用登録。そして、申請用のソフト(申請用総合ソフト)をインストールします。

登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと トップページ

ただ、こちらの申請用総合ソフト、Macは利用不可なんです汗 わたしは普段Macユーザーなので、物理的に壁を感じました・・・仕方なく、家で眠っていたWindowsを引っ張り出してきてインストールすることにしました。

これから申請用総合ソフトを利用して、電子的に書類を送付することになります。送付の際、必要になってくるのが電子署名。こちら、士業の方などは業務用の電子署名ソフトを利用しますが、個人ならばマイナンバーカードが利用できます。

マイナンバーカードは国が無料で発行している証明書ですが、署名用電子証明書がついているので、電子申請の時に電子署名をつけられます。マイナンバーカードの電子証明書を利用するために、ICカードリーダーも必要となります。

電子署名をする際、証明書になるのがマイナンバーカード。
https://www.kojinbango-card.go.jp/ より引用

いろいろと事前準備が必要となることは、ここまで読んでいただけたらお分かりかと思いますが、この後まだやらなきゃいけないことがあります。それは、テレビ電話での面談の前に公証役場にメールをして、定款の内容を事前にチェックをしてもらうことです。「あれ、申請用総合ソフトを使えないの?」と心で呟いた方も多いかと思います。そうなんです、使えないんです笑 ここはまだシステム化しきれてない部分のようです。

本社の住所から、対応していただく公証役場を探し、そこに定款のpdfデータをメールします。わたしの場合は一旦電話をかけ、メールで定款案を送ることを告げてから送信しました。

メールを送るこの際に「テレビ電話での面談希望」を添え書きしておくと、その後の指示が来ました。


テレビ電話での面談をするには、

①必要書類を先に送付すること。(印鑑証明書・実質的支配者となるべきものの申告書・CD-R・返信用レターパックなど)

②手数料を振り込みを完了させておくこと の2つが必須です。

そしてメールで送った定款に問題ないことがわかり、テレビ電話の面談日時を取り付け、担当の公証人の氏名を確認してから、申請用総合ソフトで定款を電子的に送信します。面談のアポや約束の相手は、システム外(メールや電話等)でやらなければいけないので注意してください涙

テレビ電話のブラウザはChromeを使い、FACEHUBというソフトが指定されました。わたしの場合はスマホからChromeを開き、指定の時間になったら繋ぎました。

テレビ電話で公証人の方が身元の確認をされるので、それに従い運転免許証を見せたり、顔写真を撮影してもらったりしました。面談の時間は10分ほどで終了しました。後日返信用レターパックに封入されて、認証された定款と、電子定款のデータなどが返送されてきます。

そして、オンラインで登記申請!

定款認証が無事終わったら、今度はオンラインで登記の申請を行います。一人会社の設立登記申請については、法務省がまとめてくれたサイトをご覧ください。

法務省:一人会社の設立登記申請は完全オンライン申請がおすすめです!

申請用総合ソフトの操作手順に従い、申請書情報を作成し書類を送信します。

【登記に必要な書類】

・定款

・発起人の同意書

・設立時取締役選任及び本店所在地決議書

・設立時取締役及び設立時代表取締役の就任承諾書

・資本金の払込みを証する書面

・・・サラッと説明してしまっていますが、とてもてこずりました。オンライン申請で特に面倒だった部分は、電子署名を何度も添付する場面があることでした。パスワードを何度も打ち込みますし、送信後の確認に少し時間がかったたり・・・でもめげずに手順を踏んで申請は終えました!

登記料は、オンラインバンキングから納付しました。ということで、一度も法務局に出向くことなく、法人設立することができました。

この後、新設した会社の登記簿謄本が必要だったので、こちらは郵送で請求しました。法人の実印を登録手続きも法務局に書類を送付し、印鑑カードを郵送で取得しました。オンラインや郵送で対応できる範囲って実は結構あります。

設立後の手続きもオンラインで

法人設立後は、何かと申請しなくてはならないものがあります。実はその手続きを一挙に行うことができるサービスもあるんです!『法人設立ワンストップサービス』といいます。このサービスを利用すると、法務局や税務署に行くことなく、電子的に申請を行うことができます。わたしも多くの申請を、こちらで済ませることができました。

まとめ:オンラインと郵送だけで法人設立できる

オンライン申請を使った法人設立は、郵送なども組み合わせれば公証役場も法務局も税務署にも行かずにできるということがわかりました。途中わからないことがあり、電話をして確認した事項もありましたが、印象としては『まだまだ電子申請は浸透していないな・・・』でした。

窓口の方があまり理解していないことや、制度自体がわかりにくい、ということも多々あったからです。でも結果としてちゃんとできましたし、国としては今後電子申請を普及していきたいという流れではあると思います。

オンラインでできるのは本当に便利です。これからもどんどん活用して、有意義な時間をもっと増やしていけたらと思います。

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